ワイン業界でのキャリアを考えている方にとって、ワイン商社は魅力的な選択肢のひとつです。
海外の名門ワイナリーとの交渉から国内市場での販売まで、ワインに関わる幅広い業務を担うワイン商社では、専門性と国際的な視野を活かしたキャリアを築くことができます。
しかし、「実際の年収はどの程度なのか」「どのような仕事内容なのか」「年収アップを狙うにはどうすればよいのか」といった具体的な情報は、なかなか得られないのが現状です。
本記事では、大手商社から専門インポーターまで、ワイン商社の年収実態や仕事内容、キャリアアップの方法について詳しく解説します。
ワイン商社とは

ワイン商社は、ワインの輸入・卸売・販売を担う企業として、海外の優れたワインを日本の消費者に届ける重要な役割を果たしています。
海外のワイナリーと交渉し、品質の高いワインを選定して国内市場に流通させることで、日本のワイン文化の発展に貢献しています。
業態は大手商社の一部門から専門インポーターまで多様です。
三菱食品や伊藤忠商事のような大手総合商社では、ワイン事業が食品部門の一角を担っており、豊富な資金力と流通網を活かした大規模な展開が可能です。
一方、専門インポーターは特定の産地や生産者に特化し、こだわりのワインを厳選して輸入する独自性の高いビジネスモデルを展開しています。
業務範囲は営業、マーケティング、物流、品質管理など広範囲にわたります。
海外ワイナリーとの契約交渉から始まり、輸入手続き、通関業務、国内での販売促進、顧客への提案営業まで、ワインが消費者の手に届くまでの全工程を管理します。
また、ワインの保管環境の管理や品質チェック、マーケティング戦略の立案なども重要な業務となっています。
ワイン商社の年収

ワイン商社の年収は、企業規模や職種、個人のスキルによって大きく異なります。業界全体の傾向と具体的な年収レンジを詳しく見ていきましょう。
- ワイン商社の年収は400~600万円
- ワイン商社の福利厚生や手当
ワイン商社の年収は400~600万円
ワイン商社の年収は、企業規模によって大きく分かれます。
大手商社系では約600~900万円、中堅商社・専門インポーターでは約400~600万円が一般的な水準となっています。
大手商社系では、総合商社としての基盤の強さが年収水準に反映されており、ワイン部門であっても他部門と同等の待遇が期待できます。
特に海外駐在や大口取引を担当するポジションでは、年収1000万円を超えるケースも珍しくありません。
営業職ではインセンティブ制を採用する企業も多く、売上実績に応じて基本給にプラスαの報酬が支給されます。
特に高級ワインを扱う企業では、一件当たりの取引額が大きいため、インセンティブの額も相応に高くなる傾向があります。
また、海外出張の有無や語学力によっても年収に差が出ます。
ワイナリー訪問や現地での買い付け業務を担当できる人材は希少性が高く、企業からも高く評価される傾向にあります。
フランス語やイタリア語、ドイツ語などの習得は、年収アップに直結する重要なスキルといえるでしょう。
ワイン商社の福利厚生や手当
ワイン商社の福利厚生は、一般的な企業と比較して業界特有の特典が充実している点が特徴です。
大手では住宅手当・家族手当・退職金・企業年金などが標準的に整備されており、安定した生活基盤を築くことができます。
業界特有の福利厚生として、社員割引制度は特に魅力的です。
自社で扱うワインを社員価格で購入できるため、プライベートでも高品質なワインを楽しむことができます。
また、定期的に開催される試飲会への参加や、ソムリエ資格などの資格取得支援制度も充実しています。
専門インポーターでは、試飲・輸入出張・展示会同行などの手当が厚い傾向があります。
海外のワイナリー訪問や国際的なワイン展示会への出張は、業務の一環でありながら貴重な経験を積む機会でもあります。これらの経験は個人のスキルアップにもつながり、将来的なキャリアアップの基盤となります。
独自の手当として、ソムリエ手当や語学手当を設けている会社も存在します。
ソムリエ資格保有者には月額数万円の手当を支給したり、TOEIC高スコア取得者に語学手当を支給したりする企業もあり、専門性の向上が直接的に収入アップにつながる仕組みが整っています。

特に年収の高いワイン商社・インポーター

ワイン業界において特に高い年収を実現できる企業をご紹介します。
企業規模や事業戦略によって年収水準は大きく異なるため、転職を検討する際の参考にしてください。
- 三菱食品株式会社
- 伊藤忠商事株式会社
- アサヒビール株式会社
- ニホンリカー株式会社
- 株式会社中川ワイン
三菱食品株式会社
三菱食品の平均年収は、IR公表値で711万円と、商社の中でも高い水準を誇っています。
食品・飲料部門ではトップクラスの待遇であり、ワイン事業を含む営業職では600万円以上が一般的です。
三菱グループの一員として安定した経営基盤を持ち、長期的なキャリア形成が可能な環境が整っています。
同社のワイン事業では、世界各国の優れたワインを幅広く取り扱っており、営業担当者には高い専門性が求められます。
そのため、ソムリエ資格保有者や語学力のある人材は特に高く評価され、昇進や昇給のスピードも早い傾向があります。
出典:三菱食品 有価証券報告書
伊藤忠商事株式会社
伊藤忠商事全体の平均年収は1,735万円前後と非常に高い水準を維持しています。
総合商社としての平均年収であり、ワイン部門においても語学や海外駐在を伴うポジションでは年収2,000万円以上も狙える環境です。
同社では、欧州の名門ワイナリーとの直接取引や独占輸入契約の獲得に力を入れており、現地との交渉を担当できる人材には特に高い報酬が支払われます。
海外駐在の機会も多く、国際的なキャリアを積みたい方には理想的な環境といえるでしょう。
アサヒビール株式会社
アサヒビールの平均年収は約1,218万円(平均年齢42.2歳)で、食品・飲料業界としてはトップクラスの水準です。
営業職でも684万円、企画・マーケティング職では916万円と、職種に応じた適正な評価がおこなわれています。
同社では、ビール事業で培った流通ネットワークを活かしたワイン事業を展開しており、既存の取引先との関係性を活用した効率的な営業活動が可能です。
そのため、営業成績を上げやすい環境が整っており、インセンティブによる収入アップも期待できます。
ニホンリカー株式会社
日本リカーの営業職は、求人情報によると年収450~600万円が目安となっています。
求人サイトの口コミでは平均約419万円という声もありますが、これは経験年数や職種によって幅がある数値です。
中堅規模の専門商社として、アットホームな職場環境と専門性の高い業務が特徴です。
同社では、特定の産地やブランドに特化した深い知識をもつ人材を重視しており、専門性を活かしたキャリアアップが可能です。
大手と比較すると年収水準は控えめですが、ワイン業界での経験を積むには適した環境といえるでしょう。
株式会社中川ワイン
中川ワインは中小インポーターながら、求人情報では年収550~700万円の募集が見られます。
専門インポーターとしては比較的高い水準であり、こだわりのワインを扱う同社の事業戦略が年収水準にも反映されています。
少数精鋭の組織運営により、一人ひとりの裁量権が大きく、主体的に業務に取り組める環境が整っています。
ワイン愛好家としての情熱と専門知識を活かしたい方には、魅力的な職場といえるでしょう。
出典:スタンバイ求人情報
ワイン商社の仕事内容

ワイン商社の業務は多岐にわたり、それぞれの分野で専門性が求められます。
国際的な取引から国内営業まで、幅広いスキルを身につけることができる魅力的な職種です。
- 海外ワイナリーとの交渉・輸入業務
- ワインの輸送や通関・品質管理
- 国内営業・小売店や飲食店への提案
- マーケティング・ブランディング業務
海外ワイナリーとの交渉・輸入業務
ワイン商社の中核業務である海外ワイナリーとの交渉・輸入業務では、現地ワイナリーとの契約交渉、ラベル審査、通関管理などを担当します。
この業務では、英語・フランス語が使われる場面も多く、語学力が重要な評価対象となります。
契約交渉では、ワインの品質基準、価格設定、独占販売権の取得など、複雑な条件を調整する必要があります。
また、日本の食品衛生法に適合するためのラベル表示の確認や、輸入時の検査手続きなど、法的知識も必要になります。
商談で海外出張することも多く、実際にワイナリーを訪問して生産者との関係を深めることで、より良い条件での取引や新商品の優先的な紹介を受けることができます。
これらの経験は、ワイン業界でのキャリアにおいて非常に価値の高いものとなります。
ワインの輸送や通関・品質管理
ワインは温度や湿度に敏感な商品であるため、輸送や保管時の品質管理は極めて重要です。
船便や航空便での輸送計画の立案、倉庫での適切な保管環境の維持、配送時の温度管理など、ワインの品質を保つための細やかな配慮が求められます。
通関業務では、輸入申告書の作成、関税の計算、食品衛生法に基づく検査手続きなど、専門的な知識と経験が必要です。
これらの業務をスムーズにおこなうことで、新鮮で高品質なワインを国内市場に供給することができます。
品質管理では、輸入後のワインの状態確認、保管環境のモニタリング、出荷前の最終チェックなど、一貫した品質保証をおこないます。
万が一品質に問題があった場合の対応策も重要な業務のひとつです。
国内営業・小売店や飲食店への提案
国内営業では、ソムリエやシェフ向けに商品提案・ワイン会企画などをおこないます。
高級レストランやホテル、ワインショップなどの顧客に対して、それぞれのニーズに応じたワインの提案をおこない、売上拡大を図ります。
営業成績に応じて業績連動型のインセンティブがつくことも多く、優秀な営業担当者は基本給を大幅に上回る収入を得ることも可能です。顧客との関係構築や、自社のブランドや輸入元の魅力を伝える提案力が年収に直結する職種といえます。
また、ワインテイスティング会や産地セミナーの企画・開催も重要な業務です。
これらのイベントを通じて、顧客との関係を深めるとともに、新規顧客の開拓も図ります。
マーケティング・ブランディング業務
マーケティング・ブランディング業務では、イベント出展、SNS施策、ギフト提案などを担当します。
ワイン業界では、ブランドイメージの構築が売上に大きく影響するため、効果的なマーケティング戦略の立案・実行が重要です。
自社の輸入ワインの魅力をどう発信するかが年収に反映されやすく、創造性と戦略性を兼ね備えた人材が求められます。特にSNSマーケティングでは、視覚的に魅力的なコンテンツの制作や、インフルエンサーとの連携なども重要な要素となります。
営業部門との連携も重要で、マーケティング施策の効果を営業活動に活かし、売上向上につなげるクリエイティブ職としての側面も持っています。
ワイン商社で年収アップを狙うには

イン商社で年収アップを実現するためには、業界特有のスキルと経験を戦略的に身につけることが重要です。
専門性を高めながら、市場価値の向上を図る具体的な方法をご紹介します。
- 語学力と資格で”即戦力”を証明する
- 営業実績を具体的な数字で示す
- 高価格帯ワインを扱う企業への転職を狙う
- 海外業務や輸入責任者ポジションを目指す
語学力と資格で”即戦力”を証明する
ワイン商社では、英語やフランス語など、ワイン産地と直結する言語は高く評価されやすい傾向があります。
特にフランス、イタリア、ドイツなどの主要ワイン生産国の言語ができると、現地ワイナリーとの直接交渉が可能になり、より有利な条件での取引につながります。
たとえば、ソムリエ資格やワインエキスパートは「顧客対応力」の証明になります。
これらの資格をもつことで、顧客により専門的で説得力のあるアドバイスを提供できるため、営業成績の向上にも直結します。求人票でも「語学歓迎」「ソムリエ優遇」の記載が多く見られます。
輸入担当や海外出張が多い企業では、これらのスキルが初任給や昇給にも影響します。
語学力とワインの専門知識を組み合わせることで、他の候補者との差別化を図ることができるでしょう。

営業実績を具体的な数字で示す
ワイン商社の営業は成果主義の傾向が強く、インセンティブ制度も多く採用されています。
月間・年間の売上、取扱銘柄の単価、継続率などが主要な評価指標となるため、これらの数値を明確に示すことが重要です。
数値を明示して転職することで、年収交渉がしやすくなります。
たとえば「年間売上3,000万円達成」「新規開拓により取引先を30%増加」などの具体的な実績は、転職時の強力なアピールポイントとなります。
これらの実績は、社内評価だけでなく転職市場での武器として活用できます。
優秀な営業実績をもつ人材は、業界内での需要が高く、より良い条件での転職が可能になります。
高価格帯ワインを扱う企業への転職を狙う
高単価商品を扱う企業では、営業単価・取引先がプレミアム層に絞られるため、年収も比例して高くなる傾向があります。
1本数万円から数十万円するワインを扱う企業では、一件当たりの利益率も高く、営業担当者のインセンティブも相応に高くなります。
ラグジュアリーレストランやホテルとの取引経験があると、高価格帯ワインを扱う企業では特に評価されやすくなります。
これらの顧客は品質に対する要求が高い一方で、価格に対する感度は比較的低いため、営業しやすいターゲットといえます。
商材単価が高いためにノルマ達成しやすく、インセンティブが大きくなる傾向があります。
そのため、高価格帯ワインを扱う企業への転職は、年収アップの有効な戦略のひとつです。
海外業務や輸入責任者ポジションを目指す
海外出張やワイナリー訪問、仕入れ交渉を担当するポジションは高待遇が期待できます。
現地との信頼構築や通関業務の知見が求められるため、希少性が高く、企業からも重要なポジションとして認識されています。
輸入責任者、バイヤー、事業部長クラスになると年収以上も視野に入ります。
これらのポジションでは、商品選定から価格設定、販売戦略まで、事業全体の責任を担うため、相応の報酬が支払われます。
海外駐在経験は「キャリアの箔」として、転職市場でも強い武器になります。
現地での人脈構築や、本場のワイン文化に対する深い理解は、帰国後のキャリアにおいても大きなアドバンテージとなるでしょう。
まとめ
ワイン商社の年収は、企業規模や職種によって400万円から900万円と幅広いレンジとなっています。
大手商社系では高い年収水準が期待できる一方で、専門インポーターでは業界特有の魅力的な福利厚生や、深い専門性を活かしたキャリア形成が可能です。
年収アップを実現するためには、語学力とワインの専門知識を組み合わせたスキルセットの構築が重要です。
特に、海外ワイナリーとの直接交渉ができる人材や、高価格帯ワインの販売経験をもつ人材は、業界内での需要が高く、より良い条件での転職が期待できます。
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