寿司は日本を代表する伝統料理であり、その作り手である寿司職人は高度な技術と専門知識を持つプロフェッショナルです。
しかし気になるのはその年収水準やより高い年収を得る方法ではないでしょうか。本記事では、寿司職人の仕事内容から年収データ、高収入の理由、さらには収入を上げるためのキャリアアップ方法まで徹底解説します。
寿司職人を目指す方や、現在寿司職人として働いている方のキャリアプランニングに役立つ情報をお届けします。
寿司職人とは

『寿司職人』とは、日本の伝統的な食文化である寿司を専門的に調理する料理人のことです。
単に魚を切って酢飯の上に乗せるだけではなく、魚の目利きから下処理、切り方、酢飯の調合、盛り付けまで幅広い技術が求められます。
寿司職人になるには通常、見習いから始まり、長い年月をかけて技術を磨いていきます。
修行期間は店舗によって異なりますが、一人前と認められるまでに5年から10年かかるケースも珍しくありません。
寿司職人を目指している方は、まず自分に向いているかどうかの適性を確認し、具体的な3つのルートや必要な資格については「寿司職人になるには?3つのルートの詳細や仕事内容・年収まで解説」で詳しく解説しています。
寿司職人の仕事は技術面だけでなく、季節の食材に関する知識やお客様との会話も重要な要素です。特に江戸前寿司の世界では、カウンター越しのコミュニケーションも職人の腕の一部とされています。
近年ではインバウンド需要の高まりにより、外国人客への対応能力も求められるようになってきました。


寿司職人の年収データを解説
寿司職人の年収は経験や勤務地、店舗のタイプによって大きく変動します。
ここでは基本的な年収データから地域別の求人賃金まで詳細に解説していきます。
寿司職人の平均年収は約360万円
厚生労働省が運営する「jobtag」によると、全国の寿司職人の平均年収は358.9万円となっています。
この数字は全国平均であり、経験や勤務地域によって大きく異なります。
出典:jobtag
ただし、一般的な求人サイトの情報などを加味すると、平均年収は450万円程度と考えられています。
特に経験を積んだベテラン職人や、高級店で働く職人の場合はさらに高い年収を得ることも可能です。
料理人全体の平均演習は425万円とされているので、寿司職人は比較的高給な仕事といえます。
特に技術を磨き、名の知れた店舗で経験を積むことで、年収は大きく上昇する傾向にあります。
| 年齢区分 | 平均年収 |
|---|---|
| 〜19歳 | 約250万円 |
| 20〜24歳 | 約295万円 |
| 25〜29歳 | 約340万円 |
| 30〜34歳 | 約355万円 |
| 35〜39歳 | 約390万円 |
| 40〜44歳 | 約387万円 |
| 45〜49歳 | 約396万円 |
| 50〜54歳 | 約404万円 |
このデータからわかるように、寿司職人の年収は年齢とともに上昇する傾向にあります。これは経験を積むことで技術が向上し、より高度な仕事を任されるようになるためです。
特に50代になると400万円を超える年収となり、キャリアの集大成として高い評価を得ていることがわかります。
寿司職人の平均求人賃金
ハローワークの求人データによると、寿司職人の平均賃金は全国で27.3万円となっています。
ただし地域によって大きな差があり、経験者では月給40万円近い求人も存在します。
詳しい地域別の年収データは後述で解説します。
寿司職人の年収が高い理由

寿司職人のなかには高収入を得ている方も多くいます。その背景には以下のような理由があります。
- 専門性が高い
- 日本を代表する料理で需要が高い
- 単価が高い店舗が多い
- 海外でも需要が高い
専門性が高い
寿司職人の仕事は非常に専門性が高く、簡単に習得できるものではありません。
魚の鮮度を見極める目利きの技術、魚種に合わせた最適な下処理や切り方、そして酢飯の調合など、多岐にわたる技術が求められます。
特に高級店では、魚の扱い方一つで味が大きく変わるため、職人の技術による付加価値が非常に高いのです。
例えば、まぐろの切り方一つをとっても、その日の温度や湿度、魚の状態に合わせて微調整する必要があります。
このように代替が難しい高度な専門技術を持つ人材は市場価値が高く、それが結果として高い年収につながっています。修行に何年もかかる世界だからこそ、その価値が認められているのです。
日本を代表する料理で需要が高い
寿司は日本を代表する料理の一つとして、国内外で非常に高い人気を誇っています。日本国内では特別な日の外食や接待など、ハレの場で選ばれることも多く、常に一定の需要があります。
また、健康志向の高まりから日常的に寿司を食べる人も増えており、回転寿司から高級店までさまざまな価格帯で寿司を提供する店舗が存在します。
そのため、寿司職人の活躍の場は広く、需要に対して供給が追いついていない状況も見られます。
こうした安定した需要と人材不足という状況が、寿司職人の年収を押し上げる要因となっています。特に腕の良い職人は引く手あまたで、それが給与面での待遇向上につながっているのです。
単価が高い店舗が多い
寿司店は他の飲食店と比較して客単価が高い傾向にあります。特に高級店では一人当たり2万円以上、なかには10万円を超えるようなコースを提供する店舗もあります。
高単価であれば店舗の利益率も高くなり、結果として従業員に還元される給与も高くなります。
特に技術の高い職人はそれだけで集客力があるため、店舗側も優秀な人材を確保するために高い給与を提示することがあります。
また、寿司店ではチップ文化のある店舗も多く、基本給に加えて追加収入を得られるケースもあります。こうした高単価ビジネスモデルが、寿司職人の年収を押し上げる要因となっています。
海外でも需要が高い
寿司は世界中で愛される料理となり、海外でも本格的な寿司を提供する店舗が増えています。特に欧米やアジアの富裕層の間では高級日本食への関心が高く、腕の良い日本人寿司職人の需要は非常に高いものがあります。
海外では日本人寿司職人は貴重な存在であり、特にニューヨークやロンドン、香港、シンガポールなどの大都市では非常に高い給与で迎えられることもあります。
年収1000万円を超える待遇も珍しくなく、ビザのスポンサーになってくれる店舗も少なくありません。
このようにグローバルな需要があることも、寿司職人の市場価値を高め、結果として年収アップにつながっています。海外経験のある職人は帰国後も評価されるケースが多いです。
年収が高い地域やお店の特徴

寿司職人の年収は勤務する地域や店舗によって大きく異なります。高収入が期待できる地域やお店の特徴を紹介します。
人口が多く居住者の年収も高い地域
人口が多い大都市は居住者の年収も高い傾向にあり、それだけお店の単価も高くなります。
東京、大阪、名古屋などの大都市では、寿司店の客単価も自然と高くなるため、職人の給与も高い傾向があります。
特に東京都内では、企業の接待や会食で利用されることも多く、高額なコースを提供する店舗が多数存在します。
そうした店舗では職人の技術が直接評価されるため、腕の良い職人には相応の対価が支払われます。
また大都市では競合店も多いため、優秀な職人を確保するための給与競争も起きています。こうした環境が寿司職人の年収を押し上げる要因となっているのです。
インバウンド客が多く訪れる地域
インバウンド客が多い地域は、訪日外国人からの収入が見込めるため、人件費にもそれなりにお金をかける傾向があります。
東京の築地・銀座エリアや京都、札幌、福岡などの観光地では、外国人観光客向けの寿司店も多く、需要は安定しています。また、人手不足なので、少し高い給与を払ってでも職人数を確保したがる店舗が多いのも特徴です。
特に外国語対応ができる職人は重宝されるため、語学力を持つ寿司職人は高給を得られる可能性が高くなります。
インバウンド需要の高い地域では、繁忙期には通常よりも多くの来店が見込めるため、歩合制を採用している店舗では収入増につながることもあります。
老舗の寿司店
歴史があり有名な寿司店は、単価も高く常連もいて売り上げも安定しています。そうした店舗では、職人の技術が店の評判を左右するため、高い技術がある職人には高給を支払う傾向があります。
老舗店では師弟関係を大切にする文化があり、長く働く職人には昇給やポジションアップの機会も多く提供されます。
また、有名店での勤務経験は履歴書に大きな価値をもたらすため、将来独立する際にも有利に働きます。
さらに老舗店では常連客からのチップやお礼が発生することもあり、基本給に加えて追加収入を得られるケースもあります。こうした総合的な待遇の良さが、老舗店で働く寿司職人の年収を押し上げています。
高単価エリアにある高級店
東京でいえば銀座など高単価エリアにあるお店は、そもそも店の単価が高いため、職人の給与も高くなる傾向にあります。
こうした高級店では一人当たりの客単価が数万円になることも珍しくなく、それだけ利益率も高くなります。
高級店では職人の質も重要なため、レベルの高い寿司職人にはかなりの高給を払う事例も多いです。特にミシュランガイドなどで星を獲得している店舗では、その評価を維持するために優秀な人材を確保する必要があります。
また高級店では常連客との関係構築も重要なため、人間性や接客スキルの高い職人は特に評価されます。こうした総合的な技術を持つ職人に対しては、それに見合った報酬が支払われるのです。
【地域別】寿司職人の年収事情
寿司職人の年収は勤務地域によって大きく異なり、都市部と地方では100万円以上の差が生じることもあります。
ここでは主要都市の具体的な年収データをもとに、地域別の収入格差を詳しく解説します。
自分が働きたい地域の年収相場を把握することで、より効果的なキャリア戦略を立てることができるでしょう。
寿司職人のなかには高収入を得ている方も多くいます。その背景には以下のような理由があります。
- 東京・銀座エリアの年収相場
- 関西・中部・九州の年収事情
- 都市部と地方の年収格差
東京・銀座エリアの年収相場
東京都の寿司職人の平均月給は約34.2万円で、年収換算すると約410万円となっています。
特に銀座などの高級エリアでは、経験者向けの求人で年収420万円から480万円が相場となっているのが現状です。
さらに有名高級店やミシュラン星付き店では、大将クラスになると月給80万円から90万円という高待遇も実現しています。
一般職人から大将クラスまでの年収幅は以下の通りです。
| ポジション・店舗格 | 年収相場(東京・銀座) |
|---|---|
| 一般職人(正社員) | 300万円台前半 |
| 経験者・高級店 | 400万~500万円台 |
| 有名高級店・大将 | 900万~1,000万円超 |
- 主要求人サイトの求人情報をもとに作成
関西・中部・九州の年収事情
主要求人サイトの情報によると、関西・中部・九州エリアの寿司職人年収は、いずれも年収400万円台が中心となっています。
大阪では平均年収約406万円、名古屋では約418万円、福岡では約410万円と、東京に近い水準を維持しているのが特徴です。
これらの都市部では一般職人でも年収400万円台を期待でき、経験豊富な職人や店長クラスでは500万円から600万円の待遇も珍しくありません。
特に有名店やミシュラン星付き店では、ベテラン職人に対して700万円を超える高待遇を提示するケースも見られます。
地方都市でありながら、高級店での勤務や管理職への昇進により、東京と遜色ない年収を実現できる可能性があるといえるでしょう。
都市部と地方の年収格差
都市部と地方の年収格差は非常に大きく、東京都の平均年収約459万円に対し、最も低い地方では約336万円と100万円以上の開きがあります。
月給ベースでも都市部の34万円台に対し、地方では22万円台からとなっており、10万円近い差が生じているのが実情です。
この格差は人口密度や客単価、競合店の数などが影響しており、高収入を目指すなら都市部での勤務が有利といえるでしょう。
ただし生活コストも考慮して総合的に判断することが重要です。
年収の高い寿司店へ転職するには

より高い年収を目指して転職を考える寿司職人の方へ、効果的なキャリアアップの方法を紹介します。
- 経験を積み実績と信頼をつくる
- 接客技術を磨く
- 英語のスキルをつける
- 柔軟性を身に付ける
- 教育者としてのスキルを磨く
経験を積み実績と信頼をつくる
寿司職人として高収入を得るためには、まずは確かな技術と実績を積み上げることが重要です。
特に高級店では一定以上の技術がなければ採用されないため、現在の職場でしっかりと経験を積むことが第一歩となります。
魚のさばき方や切り方、酢飯の調合など基本的な技術はもちろん、季節の食材に関する知識や仕入れの目利きなど、幅広いスキルを身につけることが求められるでしょう。
技術向上のためには、積極的に先輩職人から学ぶ姿勢も大切です。
また、信頼関係の構築も重要なポイントとなります。
現在の職場での評判や人間関係は、転職時の推薦状にもつながるため、寿司業界は意外と狭い世界なので、良い評判を築くことが次のステップへの足がかりとなります。
特に年収1000万円を目指すなら、銀座の有名高級店での大将ポジション獲得、独立開業による店舗経営、または海外の高級日本食レストランでの勤務が現実的な選択肢です。
いずれも10年以上の経験と確かな技術が前提となりますが、適切なキャリア戦略により実現可能な目標といえるでしょう。
接客技術を磨く
寿司職人には料理の腕前だけでなく、優れた接客技術も求められます。特に高級店では、職人とのコミュニケーションを楽しみに来店するお客様も多く、会話の技術や気配りが重要視されます。
お客様の好みを記憶する、適切なタイミングで会話を展開する、常連客との関係を築くなど、コミュニケーション能力が高い職人ほど重宝されます。
また、料理の説明や食材の話ができることも大きな強みとなります。
接客技術を磨くには、日々の仕事のなかで意識的に実践することが大切です。また、接客マナーに関するセミナーや書籍から学ぶことも効果的でしょう。
高級店ほど接客の質に厳しいため、この点を強化することで転職の可能性が広がります。
英語のスキルをつける
インバウンド需要の高まりから、英語力のある職人を優遇する店舗が増えています。特に外国人観光客が多く訪れるエリアの寿司店では、英語でのコミュニケーションができる職人は貴重な存在です。
基本的な英会話ができるだけでも評価は大きく変わります。寿司に関する専門用語や食材の説明、アレルギーに関する問い合わせへの対応など、実務に直結する英語力を身につけることが重要です。
オンライン英会話や英語学習アプリを活用して、日常的に英語に触れる機会を作りましょう。
また、外国人客が多い店舗でアルバイトするなど、実践的な経験を積むことも効果的です。語学力は転職市場での大きな武器となります。

柔軟性を身に付ける
新たな環境へ飛び込むチャンスはいつ来るかわからないため、柔軟性の高い人の方が、転職チャンスを逃すことなく、また新しい環境へ適応して上手く仕事ができます。
変化を恐れず、新しい技術や考え方を取り入れる姿勢が大切です。
また、寿司店へくる顧客の客層も昔と違って変化しています。外国のお客様はもちろん若い女性が来る機会も増えているので、そういう人へ幅広く対応する柔軟性が重要になります。
さらに、新しい調理法や盛り付けにも柔軟に対応できることが求められます。伝統を重んじながらも、現代のニーズに合わせた創意工夫ができる職人は高く評価されます。
固定観念にとらわれず、常に学び続ける姿勢を持ちましょう。
教育者としてのスキルを磨く
伝統の日本食である寿司を受け継いでいくために、後継者育成のスキルも重要です。若手の指導ができる職人は、次世代の育成に貢献できるため、多くの店舗で重宝されます。
育成スキルの高い職人は重宝される傾向にあるため、マネジメントのスキルなどを覚えておくと良いでしょう。特に人手不足が深刻な現在、教育係として若手を育てられる人材は貴重な存在です。
コーチングの勉強もおすすめです。部下の能力を引き出し、モチベーションを高める技術は、チームの生産性向上につながります。
こうした人材育成能力は、より責任のあるポジションへのステップアップにも役立ちます。

寿司職人の年収についてよくある質問
寿司職人の年収やキャリアについて、転職や将来設計を検討する方からよく寄せられる質問にお答えします。
高収入の可能性や性別による違い、海外での働き方など、気になるポイントを詳しく解説していきます。
- 寿司職人で年収1000万円は現実的か
- 女性寿司職人の年収事情
- 寿司職人の海外での年収
- 寿司職人で年収1000万円は現実的?
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結論として、寿司職人で年収1000万円は十分現実的です。
実際に銀座の有名高級店では大将クラスで月給80万円から90万円(年収960万円から1080万円)の求人も存在します。独立開業した場合は更なる高収入も期待でき、成功している寿司店オーナーでは年収数千万円に達するケースもあるでしょう。
海外の高級日本食レストランでも、経験豊富な寿司職人なら年収1000万円超の待遇を受けることが可能です。 - 女性寿司職人の年収事情は?
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女性寿司職人の年収は男性と基本的に同水準ですが、職場環境や働き方に違いが見られることがあります。
近年は女性寿司職人への理解も深まり、有名店でも女性職人の採用が増えています。特に接客面でのきめ細やかさや清潔感が評価され、高級店での需要も高まっているのが現状です。
ただし体力面の配慮から、調理補助や接客メインの役割を担うケースもあり、その場合は年収に差が生じることもあるでしょう。
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海外で働く寿司職人の年収は、日本国内よりも高収入を得られる可能性があります。
特にアメリカやヨーロッパの高級日本食レストランでは、年収1000万円を超える待遇も珍しくありません。ただし、海外での就労にはビザの問題や文化的な適応など様々な課題もあります。
海外での寿司職人の働き方や具体的な年収データ、注意点については【寿司職人が海外で働くのは厳しい?】実情とメリット・デメリットを徹底解説で詳しく解説していますので、海外勤務を検討している方はぜひご覧ください。あわせて読みたい
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まとめ
寿司職人の年収は平均で約360万円ですが、経験や勤務地域、店舗のタイプによって大きく変動します。特に高級店や都市部、インバウンド需要の高い地域では、高収入を得られる可能性が高いことがわかりました。
寿司職人の年収が高い理由としては、高度な専門性、安定した需要、高単価ビジネスモデル、さらにはグローバルな需要などが挙げられます。
これらの要素が複合的に作用し、技術の高い職人には相応の対価が支払われる構造となっています。
より高い年収を目指すためには、技術と実績の積み重ね、接客技術の向上、語学力の習得、柔軟性の獲得、そして教育スキルの向上が重要です。
これらの要素を総合的に高めることで、キャリアアップの可能性が広がります。
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